金津山(かなつやま)古墳

芦屋市教育委員会 平成22年(2010)4月10日

説明文

芦屋市指定文化財(史跡)へ!

金津山古墳見学会資料

平成22年3月19日,芦屋市春日町にある金津山古墳が,芦屋市文化財保護条例(平成元年4月1日条例第7号)の第5条第1項に基づき,平成21年度芦屋市指定文化財(史跡)に指定されました。ここに,市民のみなさまへご報告致します。

金津山古墳は,江戸時代には阿保親王に縁のある円形の塚として知られており,その後も長い間,大型円墳と認識されてきました。昭和60年度に実施された第1地点の発掘調査で円筒埴輪が出土したことから,古墳の築造時期が5世紀後半であることが明らかになりました。ところが,昭和62年度の第2地点の発掘調査によって,周濠が検出されたことから,前方後円墳(帆立貝形古墳)であることが判明しました。さらに,平成20年度の第17地点の発掘調査によって,2重目の周濠が確認されました。

金津山古墳は,芦屋市内に現存する古墳では最大規模の墳丘を有しており,さらに,二重周濠を備えた希少性から,その被葬者が,単なる地方の一豪族にとどまらず,古墳時代中期(5世紀)における畿内王権と密接な関連があったことが推察できることから,歴史的,文化的価値が高いものと評価されました。

芦屋市内には,国指定重要文化財である旧山邑家住宅(ヨドコウ迎賓館)や県指定史跡である会下山遺跡,市指定文化財である徳川大坂城毛利家採石場出土刻印石や会下山遺跡出土青銅製漢式三翼鏃などがあり,金津山古墳は10例日の市指定文化財になりました。

昭和29年撮影の金津山古墳(魚澄惣五郎篇1956 『芦屋市史』本編 芦屋市教育委鼻会から)

金津山古墳地点別周濠検出状況・出土埴輪集成

金津山古墳地点別周濠検出状況・出土埴輪集成(芦屋市教育委員会2010『平成15年度国庫補助事業 芦屋市内遺跡発掘調査概要報告書』〈芦屋市文化財調査報告第83集〉から)

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