平安京右京五条三坊十四町跡

平成18年(2006年)6月10日(土)
財団法人 京都市埋蔵文化財研究所

遺跡名 平安京右京五条三坊十四町
所在地 京都市右京区西院日照町
調査期間 2006年4月6日〜6月16日(予定)
調査面積 約800平方メートル
調査機関 財団法人 京都市埋蔵文化財研究所

はじめに

調査地は平安京右京五条三坊十四町にあたり、十四町の南西角部分に位置する。鎌倉時代に作成された『拾介抄』「右京図」によれば、平安時代後期には周辺部と共に摂関家所領の「小泉荘」の一部となっている。

周辺の調査では平安時代前期から中期にかけての建物跡が多く見つかっている。また弥生時代から古墳時代の集落跡である「西京極遺跡」や「西院遺跡」にも近く、当時代の遺構の検出も想定していた。

調査の概要

調査の結果、弥生時代から室町時代の遺構を確認した。

弥生時代の遺構では、中期と後期の様々な規模の方形周溝墓が7基見つかっている。いずれも墳丘部は後世に削られておりほとんど残っていない。その中でも全長19×19mの方形周溝墓は京都市内では最大級の大きさを誇る。

古墳時代の遺構では、土墳墓と考えられる遺構が1基見つかっている。また3間×4間の掘立柱建物が見つかっている。

平安時代の遺構では、木辻大路の内溝と高辻小路の内溝が見つかっている。また平安時代前期の建物・柵列・井戸が見つかっている。

平安時代以降の遺構では、鎌倉時代と室町時代の田畑を確認している。

まとめ

今回の調査では、弥生時代の方形周溝墓を多数確認できたことが最大の成果である。調査成果をまとめると

図1 調査位置図
図1 調査位置図

図2 第2平面図(平安時代)
図2 第2平面図(平安時代)

図3 第3平面図(弥生・古墳時代)
図3 第3平面図(弥生・古墳時代)

写真1 建物1・2、高辻小路内溝
写真1 建物1・2、高辻小路内溝

写真2 建物5・6、柵列1、方形周溝墓1・2検出状況
写真2 建物5・6、柵列1、方形周溝墓1・2検出状況

写真3 古墳時代土壙墓1と方形周溝墓の重複
写真3 古墳時代土壙墓1と方形周溝墓の重複

写真4 方形周溝墓2内出土土器
写真4 方形周溝墓2内出土土器