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★石組溝(1)
(1) 口坐大夫口
「〜にいらっしゃる大夫が・‥なさる」という内容の削屑木簡。
[大カ]
(2)口夫口
[当 廿カ]
(3)口 口月口三日口
文書の効力を無効にするため、文字の中央で縦に割くという廃棄処分を施している点が注目されます。
[馬 君カ]
(4)口甘五十口
[弥カ]
(5)口口麻呂
(4)(5)ともに、人名を書いた木簡を削ってできたもの。
★石組溝 (2)
[直カ]
(6)口口口口二日 三日 四[
十三 廿三 廿[
上の四文字は人名と考えられます。某人の勤務日を書き連ねた木簡だと推測されます。
[刀カ]
(7)口支県主乙麻
(8) 口
口刀支県
(9)牟義君
(7)(8)の「刀支」は土岐、H「牟義」は武義で、いずれも美濃国の都(評)レベルの地名。美濃国関係者の名前を書いた削屑木簡です。
(8)(9)のカバネ「県主」(アガタヌシ)は、かつて土岐地方に県主制が施行されていたことを窺わせる貴重な資料といえます。
★石組小溝
(10)口大夫前口
(11)口々白口
(10)(11)は同一木簡の可能性があります。「〜大夫の前で、恐れながら…を白[もう]しあげる」といつた意味で、飛鳥・藤原宮の時代によく使われた上申文書の型式をとっています。
☆出土木簡の特質
今回出土した木簡は200点以上ありますが、その大部分は文書木簡であり、いまのところ荷札木簡はでていません。役所での活発な政務を予測させる内容で、削屑木簡の多さもそれを裏づけています。今後の周辺地域の調査が大いに期待されます。
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